OyakuniTateba blog

現役 人事マネージャーから あなたに伝えたいこと

【連載】人生ってどれくらいのお金が必要なの? その③ はじめてのボーナス!の巻

前回の続き。今回は、いよいよボーナスの支給日です、というお話。

まず、ボーナス、賞与というものはどういうものなのか。賞与は、毎月の給与とは別に支払われるものですが、給与と違うのは、会社の業績によって支給額は変動しますし、極論を言えば、業績が悪ければ支給がない場合もあります。また、支給方法や支給時期についても、会社が任意で決めることができます。ひらたく言うと、みんなで頑張って業績を伸ばした一部を、社員の頑張りに応じて分配しようというものが賞与なのです。とはいうものの、例えば車を買ってローンを組む時、毎月いくら、ボーナス払いでいくらという風に、このボーナスをおおいに当てにして生活している訳です。毎年2回、夏と冬にいくらいくらもらっているものが、突然なくなったりしたら、とても困ります。日本では、ボーナスはもはや生活所得の一部になっています。

これが、私のような外資系の会社になると、ボーナスではなく、インセンティブというものになります。これは、会社の業績や個人の成績によって、かなり金額が増えたり減ったりします。場合によっては支給が無かったりします。その代わり大きく業績を伸ばした時や、個人成績がものすごく良かったりしたら、どっ------ん!と大きくリターンがあります。

さて、あなたが就職した会社は、どうなっているんでしょう。会社の制度ですから、就業規則には賞与の時期や支給方法については明示してあるハズですから、一度、就業規則を見ておいてください。

ここでは、一般的な日本企業での支給方法をお伝えします。

 

【賞与の金額は評価によって上がったり下がったりする】

まずはじめにお話ししたように、ボーナスは会社の業績に応じて支払います。今期、いくらくらいの賞与にするかを会社は決めます。これを原資を決めるといいます。(※実際には、今期の利益から支払うのではなく、会社は支払い予定額を積み立てていてそこから払います。賞与引当金と言います)よく新聞とかで、今期のボーナスは平均〇ヶ月分とか言いますが、これは、ボーナス支給対象の社員の毎月の基本給与※1を合計して、その合計金額✖〇ヶ月分を原資として確保するという意味です。例えば、この冬の賞与が2カ月分だったしましょう。そして、評価が◎、〇、△、✖の四つで評価されるとします。すると、〇が平均の2カ月を表す支給率2.0とします。◎はそれより高い2.5、△はちょっと足りない1.5、✖は0.9という風になります。あなたの給与が20万円だったとすると、次のような計算になります。

評価◎  200,000 × 2.5 = 500,000円

評価〇  200,000 × 2.0 = 400,000円

評価△  200,000 × 1.5 = 300,000円

評価✖  200,000 × 0.9 = 180,000円

このように、評価によって、支給額が大きく変わってきます。もちろん、一定の評価期間における評価ですから、次の夏は評価が高ければ上がりますし、評価が悪ければ下がります。賞与とは、毎年一定の金額ではなく、頑張れば上がる(若しくは維持)、評価が悪ければ前年より下がることがあることを知っておいてください。

※1 賞与の基本となるのは毎月の基本給だけの場合もありますし、そこに何かの手当を足されたものを基準にしたり会社によって様々です。

 

【賞与時でも社会保険料は控除される】

前回の記事で、毎月の給与から社会保険料が控除される話をしました。実は賞与でも控除されます。え~、賞与の月の給与からも控除されるのに、その月は給与と賞与と二回も控除されるの~と思うでしょうが、国の決まり事なのでしかたありません。

 

【では、実際にどんな支給明細となるのか】

今回、上の例を使って、あなたのボーナスの支給がどうなるかやってみましょう。今回、あなたはとてもがんばって評価〇をもらうことができました。支給率は2.0です。

評価〇 基本給229,700円 × 支給率2.0 = 459,400円

ここから所得税と社会保険料の控除をざっくり計算して、と。

支給明細はこうなります。

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ちょっと、嬉しい。

 

では、いつものように、バランスシートに記入してみましょう。

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こう見るとやっぱり賞与の威力はすごいなあ。まとまった金額が入ってくるのはテンションが上がります。

何買う? 全額貯金する? 

まあ、はじめてのボーナスなので、ちょっとくらい使ってもバチは当たらないとしよう。おっと、その前に、お世話になった実家にちょっといい100グラム1000円くらいの肉を1キロ送っておこう。それでも1万円だ。

ちなみに、これはまったく個人の意見だから右から左に聞き流す程度で聞いて欲しいのだが、もし君がちょっといい時計かアクセサリーでも買おうかな、と思ったとする。その場合、ちょっといいものではなく、すっごくいいものを買っておいた方がいいと思っている。なぜならば、私はいつも高額商品を買う時は、このバランスシートを意識してモノを買うようにしている。なぜならば、思いっきりいいものを買っておくと、自分の資産としてバランスシートに記載しておけるからだ。こんな風に 笑

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もし、これが1万円くらいの時計を買ったとしたら、資本と資産から1万円を引いて減るだけになるが、こういういいものを買っておくと、資産として持っておけるのだ。資産として持っておけるということは、いざとなったら売ることができるのだ(もちろん、資産価値は下がるが)。ちょっと変な考え方かもしれないがご参考に。

 

このお話しの中では働き始めて半年が経ったことになる。この調子でがんばっていこう! では、次は春の昇給についてお話しすることになるだろう。きっと。たぶん。お楽しみに。