ゴルファーの心の一瞬を見つめ続けた人 ~トーナメント写真家 内田眞樹さんを偲ぶ~
ゴルフトーナメント写真家の内田眞樹さんが急逝されました。享年51歳。自分よりも若い方が亡くなったことは非常に辛いことでもあります。
ゴルフ・ダイジェスト・オンライン(GDO)の読者であれば、内田さんの写真と軽妙なコメントは必ず目にしている。いや、それ以外でもいたるところで目にしているハズ。
実は私の自宅の仕事パソコンの壁紙は、GDOから拝借した、内田さんの撮った渡邊彩香プロの写真です。いつもGDOのフォトギャリーは楽しみにしていて、そんなこともあって、今回の訃報は悲しいものでした。
内田さんのお人柄をもっと知りたい方は、是非、GDOのフォトギャラリーを御覧ください。フォトとともに、内田さんの選手への温かいメッセージが添えられています。まるで、そのメッセージを伝えるために、そのシャッターチャンスを待っていたような・・。
もしも、私が、内田さんと同じ機材を持ってコースに出たら、内田さんの様な写真が撮れるか? 「否!」であります。
それは、カメラテクニックはもちろんですが、単にテクニックの話ではありません。
一瞬を感じる人間力
私が憧れるアメリカの写真家ソール・ライターの言葉。「いつ見たか、何を見たかなんて関係ない。大事なことは、どう見たかということなんだ。」
私は写真を撮る(画を描くも同じ)ということの本質を見事に言い表している言葉だと思います。
そして「どう見たか」ということは、その人の「人間力」の高さに関わってくるのではないでしょうか。
ゴルフは人生そのもの
球聖ボビー・ジョーンズ曰く、「ゴルフは最も人間臭いゲームだ。もっと言うと、人生が色濃く反映されたゲームとも言える。チャンピオンシップであろうと、平凡な休日のゴルフでさえも、ショット毎に挑戦意欲とドラマを提供してくれる。悲劇的な一撃に打ちのめされ、信じがたいメロドラマのヒーローになり、他人が腹を抱えて笑うコメディの道化役になることもある。そして、ホールアウトと同時によい思い出しか残らないゲームなのだ。」(ゴルフ大全 夏坂健さん訳から引用)
ゴルファーの心の一瞬を見つめ続けた内田さん
内田さんは、まさに、ゴルフではなく、そこにいる「人」を撮っていたのです。
いや、もっと正確に言うと、「プレイヤーの瞬間の心」を撮っていたのですね。その最高の一瞬にファインダーを向けるって、すごいことだと思うのです。
ちなみに、私も写真を心掛ける者ですが、順番は「心が動く」→「構える」→「シャッターを切る」です(あたりまえ)。この「心が反応する」力こそが「人間力」ではないでしょうか。
これは、内田さんの「人に対する優しさ」「辛さも理解してくれる」が無いとできない業(わざ)であると思います。
だからこそ、多くの選手に愛され続けたのでしょうね。
その魂は、ゴルフのレジェンド達のもとへ逝ってしまいました。こころからご冥福をお祈り申し上げます。
合掌
フォトギャリーで内田さんのことを知りたい方
※検索に「内田眞樹」さんのお名前を。内田さんの撮った写真が検索できます。
そのコメントからお人柄が窺われます。
フォトギャラリートップ|GDO ゴルフダイジェスト・オンライン
キャノンα9記事 ~内田眞樹氏の記事~
フォトグラファー 内田眞樹 氏「メジャー大会の撮影で見えた「α9」の革新的機能がゴルフ撮影にイノベーションをもたらした」|α Universe | デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー