OyakuniTateba blog

現役 人事マネージャーから あなたに伝えたいこと

今あるものに気づきなさい 加藤朝胤 ~新入社員研修で使いたいくらいの本~

 

 

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 様々な全国各地で、またメディアで、般若心経の教えと生き方を説く、奈良薬師寺執事長の加藤朝胤さんが語る本です。たまたま親友の方から般若心経は「疲れたときにはいいよ」という話を聴いて興味を持ち、薬師寺に写経に行ってみたのが、この本に出合うきっかけでした。はじめての写経の話はまた別の機会にするとして、般若心経って、何か宗教的なものだと思っていたのですが、実際に触れてみると、「自分が変われば周囲も変わる」とか「変化を受け入れる」「優れた人は謙虚」「人が見ていなくてもマナーを守る」「評価されることを前提としない」とか、実際には道徳を説いたお経なのですね。(目からうろこ!)

私がこの本で一番こころに残ったのは、「色即是空」の章で、加藤さんが話しておられた「今、ベストを尽くそう」です。

少しだけ引用しますね。

「万物は変化する。この大前提をあなたが理解し実感した時、あなたの生き方は180度変わります。それまでの変化を恐れる生き方から、変化を楽しみ、変化に挑戦する生き方への大進化を遂げるのです。誰でも、これまで続けてきたことを変えたり、まったく新しいことを始めるのは、大変な不安が伴います。でも、世の中が常に変化しているのだと考えれば怖いものはありません。すべては移り変わる。だからこそ今の一瞬一瞬を全力で生きようと思えるようになるのです。」「色即是空、とくに”空”の思想は、すべてを投げ出した無常観の教えではありません。どうせ移り変わる人生テキトーでいいやのニヒリズムの思想ではありません。そこには大自然の大いなる循環を知った人間たちの、明るい諦めと自力の思想があります。一瞬だからこの、今回の人生で出会った人やものを愛し、現在をベストで生きようとする、燃えるようなポジティブな生き方が現れてくるのです。」

このように、この本は、般若心経を判りやすく、読みやすく、説いてくれています。

話は変わりますが、会社の中では、「挨拶は大きな声で」とか「事務用品を大事にする」とか、「一緒に働く人に気遣いしよう」とか、なんだか、小学校の張り紙みたいなことを、会社の中でも、いまだにやってますよね。たまに、小学校で習ったことを大人になっても言ってるなあ、と思うことがあります。なんだか、おかしいですね。

でも、組織(集団)の中での自分、自分の組織(集団)へのかかわり方っていうのは、ひょっとしたら不変なのかもしれません。

そういう意味では、私が、この本を新入社員研修で使いたかったのは、そういう集団(会社、ひいては社会)の中の自分の在り方をわかりやすく説明してくれているからだと思います。(実際には、特定の宗教を薦めていると誤解されるといけないので、使いませんでしたが)

ぜひ、若い人に読んでほしいし、管理職の方にも部下指導の参考にも読んでほしい一冊です。

さて、もう一回、薬師寺に写経に行ってきたいと思います。また報告しますね!