OyakuniTateba blog

現役 人事マネージャーから あなたに伝えたいこと

最終決断のとき ~内定の中から就職先を選ぶとき~

 

こんにちは。今日は内定をいくつかもらった方へ向けて、現役の総務人事の経験からここだけは押さえておいた方がいいですよ、というお話をします。

 

テーマは、目の前に内定通知を並べてみて、最終、どの企業にするか、失敗しないポイントです。

 

いま、目の前にある内定通知は、どれもあなたがいいなあ、この会社で働きたいなあ、と思った企業や職場であるはずです。しかし、限られた情報、限られた期間で応募した企業、職場ばかりのはずですから、入ってみたら違うかった、こんなハズではなかったと後でそういう事態になることが最悪の結末になります。そうならない様に、私たち人事はよく考えて内定を出さないといけないのですが、いかんせん、この人材不足の昨今、多少、よし、なんとかなるだろう、と内定を出す企業もあります。しかし最後はあなたが決定しなければなりません。

だからこそ、あなたは、しっかりと考えて、最終決断をしないといけないのです。

 

私の経験上での新入社員の早期(1年未満)離職理由

1 与えられた仕事が、自分に向いていないと感じた

2 こんな仕事だとは思っていなかった

3 こんなにしんどい勤務だとは思っていなかった

4 同期の出来る同僚を見て、これは勝てないと感じて自分には無理だと思った

5 上司が合わない、ついていけないと感じた

 

1 与えられた仕事が、自分に向いていないと感じた と、ならないためには

学生時代に、本当に自分にはどういう仕事が向いているかを見極めるのは難しいものです。自分は人と接するのが好きだから営業職をしたい、と思っていても、実際には人と接するのが好き=営業職向き、とは一概には言えません。数字のノルマによるプレッシャーもありますし、また、営業職でも、既存の得意先を守りながら数字を上げていく営業(農耕型)もあれば、新規受注を追い続ける営業(狩猟型)もあります。また、店舗で来店して顧客に商品を勧める店舗型営業もあります。ここで、もう一度、自分にあった仕事ができる会社はどこなのか、しっかりと自分と向き合って考えてみてください。もしも、もしもですよ、それでも自分には本当に何が向いているわからない場合は、その会社の中で、ほかの仕事にキャリアチェンジできる可能性のある会社を選ぶことを勧めます。小さい販売会社に入って、営業職が向いていないと、入ってから思っても、ほかに行く部署がなければ退職するしか道はありません。

 

 

2 こんな仕事だとは思っていなかった と、ならないためには

これは、人事側すれば、ちょっと甘いんじゃないか、と思うときがあります。新入社員がいきなり第一線の仕事を任されることはありません。工場のエンジニアの仕事にあこがれて入ったのに、工場の整備や清掃、時には構内の雑草刈りなど、こんなハズじゃなかったと言って辞めていく社員がいます。それは先輩が通ってきた道なのですから、どんな仕事も数年の下積みがあると思っていてください。

大事なことは、その会社に入社することがゴールではなく、入ってからどのようにがんばっていくかです。もし、自分の選んだ仕事に少しでも不安を感じているのなら、その会社の採用担当の方に連絡して、歳の近い先輩を紹介してもらって、感じていることを質問するといいでしょう。人事側は、そういう申し出をかえって歓迎します。遠慮せずに連絡してください。

 

3 こんなにしんどい勤務だとは思っていなかった と、ならないためには

これもよくあるパターンです。就業時間は9時からと説明されていたのに、実際はみんな8時には来ている、とか、新入社員は、誰よりも早く来なければならないとか。つまり、募集要項のような形式知ではない暗黙知の働き方というのがあります。また、その企業が置かれている業界にも特徴があります。その業界の市場がまだまだ伸びていくのか、縮小していく市場なのか。伸びていく市場であれば、店舗拡大とか部署の異動等が頻繁になると考えてもいいと思います。また、縮小していく市場にいるならば、部署の統廃合などが頻繁に行われます。

あとになって、こんな勤務だったとは、とならないためにも、もう一度、その会社の人事の人に先輩を紹介していただくとか、もう一度、企業訪問をさせていただくとか、行動を起こさないといけません。後述でもありますが、人事はそういうリクエストを歓迎します。また、逆に、それを断る企業はちょっと考えた方がいいかもしれません。(もちろん、採用担当も忙しいので、あなたの日時に合わせられるかどうかはありますよ)

 

 

4 同期の出来る同僚を見て、これは勝てないと感じて自分には無理だと思った
と、ならないためには

これはよくあるのは、文系出身者が技術系の仕事に就く場合です。プラントエンジニアやSEはものすごく不足していますので、そういう会社は積極的に文系の学生を採用して教育して育てる採用戦略をとっています。しかし、もちろん、理系でその道の勉強をしてきた同僚もいる訳ですから、その同僚がどんどんと仕事を覚えていくのを見て、自分には無理ではないかと落ち込んでしまうのです。

以前に就活の会社選びでも言いましたが、やりたいこと、と、できることは違うのです。あなたが、そのやりたいことに向かって努力を怠らない、それをマスターするまでに苦労をいとわない覚悟があれば問題ありません。ただ、漠然といいなあと思っているのであれば、もう一度、やりたいこと、とできること、は違うということを認識して、本当にその仕事を頑張れるのかを考えてください。

 

 

 5 上司が合わない、ついていけないと感じた と、ならないために

これは、入ってみないとわからないところですね。配属された部署にどういう上司がいるかは、入社前にはリサーチしにくいものです。しかし、実際には、会社には不満や不安はない、仕事も面白いと感じている。でも、あの上司の下では無理っ! よくある話です。入社の前に、そういう事態を抱ける方法ってあるの? 無いです。

ただ、一つだけ、なんとなくですが、調べる方法が一つだけあります。

採用担当者の方に、この3年くらいの先輩の離職率を聞いてみてください。これは、企業説明会や面接ではなかなか聞けない、聞きづらいものですが、あなたはすでに内定をとっているのですから、この段階で聞いても問題はありません。
「内定をいただきありがとうございます。いま、御社を第一で考えております。そこでいくつか聞き忘れたことを教えていただけますか。この直近2年か3年の先輩の離職率はどれくらいなのでしょうか」と、聞いてしまいなさい。上手にね。

 

就職活動は大変だったと思います。何社も何社もまわってやっと手に入れた内定通知。ほっと一息ついて、もうこれでいいや、と思う気持ちは十分わかります。しかし、最初に言ったように、ここで、どの企業を選ぶかによって人生が大きく変わります。一安心するのではなく、もうひと頑張り、自分しっかりと見つめなおすことと、さらに、その企業の情報を得ることが、大事なのです。

よく、企業説明会の雰囲気良かった、とか、面接官がいい人だった、と言って企業を決めることがありますが、あなたがその企業で実際に仕事や職場に向き合った時、そんなことは全く何の役にも立ちません。

要は、あなたがやりたいこと、できること、できる環境かどうか、それをさらに分析することが、いま、あなたがしなければならないことです。