OyakuniTateba blog

現役 人事マネージャーから あなたに伝えたいこと

グループディスカッションをなぜ行うのか ~人事の視点から~

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就職試験の流れの中にグループディスカッション(以下GD)があります。今回は、はじめてグループディスカッションに臨む時のポイントを人事の側からアドバイスしますね。

まず、グループディスカッションとはどんなことをするのか?

4人から6人くらいのグループになって、会社が出す課題について話し合って、なんらかの答えを出す、というものです。

そのお題については、会社によって様々ありますが、例えば、有名なもので言うと「核戦争が始まって、地球を脱出することになりました。しかし、脱出カプセルには5人しか乗れません。次の10人の中から5人を選ぶとしたら誰を選びますか?①若い男性の科学者 ②外科が専門の医者 ③若い女性の歴史学者 ・・」みたいな。

または、「当社の売上を1年で10倍にする方法を考えなさい」とか。

制限時間は1時間。それも発表も含めて〇〇時〇〇分まで行ってください。進行はみなさんにおまかせします、では、始め!という感じです。

「え~っと、では、まず役割分担を決めましょう」

「はい、では、私がタイムキーパーをします」

「では、私が書記をします」

「じゃあ、私が進行をしてもいいですか」という感じで、まず、いつもなぜか役割分担を決めるところから始まる。そう、学生の中では、積極的に役割を得ることが、GDで良い得点を取ることだと思っている。まあ、確かに進行=リーダーということは目立つと言えば目立つのだが、人事はそこで積極性を見ているのではないです。

GDをなぜ行うのかというと、あなたが「集団の中」でどのような振舞をするか?そこを見ているのです。確かに面接では、あなた一人に対して面接を行いますが、これは1対1のことであって、そこではハキハキとしゃべることができても、集団の中に入ると人の空気を読めなかったり、まわりへの気遣いができなかったり、一人よがりであったり、それでは困るので、集団の中にあなたを入れて、その時の行動特性を見ているのです。

もちろん、その他にも論理的に話すことができるか、他人を納得させるような話し方ができるか、とかコミュニケーションスキルも見ています。特に営業職を希望する場合は、こういう折衝力なども問われてきます。

ここで、GDのポイント①は、 集団の中で自分らしさを発揮しよう、です。

気遣いができる人は、「それはいいアイデアですね(同意)」とか、「私も賛成しますが、〇〇さんはどう思うのですか」とか周りに気を遣って巻き込んでいく発言をするなど自分らしさを発揮してください。

論理的な考え方が得意な人は、「では、少し今までの話を整理してみましょう」とか、「今は少し話がそれたようなので、もう一度、話を戻して考えてみませんか」とか、「この問題は、こういうフレームで考えてみてはどうでしょうか」とか、フレームワークが使えますよ、ということをアピールしてください。

さて、ここで、例えで出した問題を思い出してください。何か気が付きましたか?そう、「正解が無い」問題が出ます。

ここで、GDのポイント②は、正解の無い課題をどうやって考えるか、です。

そう、学生時代の勉強は、正解を如何に早く見つけるか、という勉強をしてきました。本来、ゼミとかに入ると自分で課題と答えを見つけていく訓練をするのですが、最近は卒論も何か関連するものをネットで探してコピペする若者が多いそうですね。話が逸れましたが、社会人になって仕事を始めると、まさに正解の無い課題や問題ばかりにぶつかります。ああでもない、こうでもない(だから会議ばっかりになったりする 笑)と。そう、そういう正解の無い課題に直面したときに、しかも集団の中で、あなたはどういう振舞をするのか?人事は興味津々で見ています。一度だけ、GDが終わった後で全員に怒ったことがあります。それは、多数決で決めていったからです。私たちは、正解の無い課題をどうやって考えていくかを見ているのに多数決で決めるなどもっての外です! もし、時間がなくて「多数決で決めよう」と誰かが言い出したら、「これは、そういうことをさせる課題ではありません」と毅然として言ってください。

では、正解の無いものをどうやって答えを出すか?それがGDのポイント③です。

「正解が無い」とは、いろいろな考え方ができて、「いくつもの答え(選択肢)」があるということです。人は価値観も考え方も様々です。あなたの言うことも一つの答え、私が言うことも一つの答え、う~ん、どうしよう、というところではないでしょうか。そういう時は、いきなり答えを探すのではなく「考え方」をみんなで統一するのです。例えば、「南の無人島で一週間、たった一人で生活しなければなりません。みかん箱ひと箱に、好きなものを5つ入れて持っていきなさい」みたいな問題があったとしましょう。これが、考え方の「軸」が無いと、「私は水が必要だと思います」「私は釣りのためにハリと糸が必要だと思います」とか、思いつくままに言い合って収拾がつかなくなるでしょう。そこでまず始めに「考えるフレーム(軸)」を決定するのです。

あなた「では、こうしてはどうでしょうか。人は生活するのに、衣、食、住が必要と言います。縦軸をこの三つの項目にして、横軸には、持っていくもの、島で自給するもの、というフレームで、一つひとつ検討してはどうでしょうか」

こうすれば、考え方が統一されたので、みんなが集中して話し合うことができます。これがフレームワークによる思考の見える化というものですね。

こういうやりかたをすると、「なぜ」を一緒に考えることができるので、発表時も楽に発表できます。そう「フレームワーク」とは論理的に物事を考える思考方法なのです。そして論理的とは「その理由は明確であること」なのです。

 

さて、今回はGDのポイントを3つご紹介しました。是非、参考にして頑張ってください。決してリーダーになることが重要なのではなく、周りへの気遣い、フレームワーク、こういうことが重要になります。

がんばってくださいね!!