就活は自分探し その① 1月にすること~自己分析を終わらせる~
2018年が明けた。街やラジオで、学生だろうか「就活だなあ」「今年の抱負は、就活です」という言葉を耳にする。実際は昨年の夏からインターンシップに参加して、すでに就活の準備をしている人もいるだろうが、いよいよ年も明けて、就活も本格化してくる。頑張ってほしい。
思えば32年前、私が大学4回生を迎えようとしていた1986年は、まさにバブル景気が始まった年で、当時はNTTなどが高騰して日本中が沸き上がろうとしていた時だ。
そんな中での就活だから、会社も大量に採用しようとするし、学生もある程度、進路を選ぶことができたのではないか。
当時はまだ、インターネットは普及していなかったので、どうやっていたかと言うと、リクルートから、電話帳と同じ(いや、今時の学生は電話帳を見たことないか)、そう、ジャンプより一回り大きい企業情報冊子が無料で送られてくる。それを、パラパラ、パラパラと見ながら、巻末についている応募はがきに、氏名や学校・学部を書いて、就職試験の申込をするのだ。
当時の私は恥ずかしながら、たぶん、これを読んでいる君とは違って、まったく就活について、やり方も知らないし準備もしていなかった。なんとなく来年4月になったら社会人になっている、それだけしかなかったと思う。
だから、なんとなく上場企業がいいな、とか、この会社はカッコ良さそうだとか、会社の品定めをしていたに過ぎない。でも、時が時だから、そんなでも就職はできたのだ。
私がはじめて就職したのは、ITの会社だった。職種はSE。法学部だった私がなぜIT、SEを選んだのか。それは、まったく漠然と、これからはITが伸びる、と世間が言っている言葉をそのまま自分のことに置き換えていただけだ。
まさに私は、ただ単に会社を選んだのだ。
しかし、実際の仕事は、そんな考えだけで通用するものではなく、2年後、私は挫折して退職することになる。
そんな私が、今は人事のマネージャーで、学生の採用をしている。もう、たくさんの学生に企業説明会や面接をしてきた。そういう時、ふと、昔の自分を重ねてしまう瞬間がある。
ああ、この学生も、自分と同じで、就活の大事なステップを準備してきてないな、と。
まず、みなさんに知っておいて欲しいことは、会社を選ぶ前に、「仕事」を選ばなくてはならない。何の仕事をしたいのか、である。
それには、まず、「自己分析」をしっかりと行わないといけない。
私は、学生に次のフレームで、就活をアドバイスしている。まず、A「やりたいこと」を考えること。次に、B「できること」または「自分の行動特性」自分がご飯を食べるのも忘れて熱中すること、でもいい。たぶん頑張れること、でもいい。
このAとBをまず「自己分析」するのだ。そして、この重なりABをしっかりと自分で自覚する。その次に、そのABを実現できる会社の条件Cを探すのだ。
もしくは、強いAがあれば、今は出来なくとも「出来るようになりたい」との一念でACで仕事を探してもいい。これがいわゆる板前の修行に入るようなものだ。
振り返ると、私の就活の失敗は、AもBも、またCもなく、ただ会社の名前を探すだけの就活していたことだと思う。
たまに、私と同じような学生がやってくる。そういう人は話していてすぐわかる。
「就活はどんな感じで進んでいますか?」
「はい、今はいろいろな業界を見ようと思っています」
「それは、当社と同じ営業職で?」
「いえ、営業だけでなく、企画系や事務系も・・・」
「・・・では、あなたの就活での、こだわりを三つ挙げてみてくれませんか?」
「・・・一つは、家から通えるところで、二つ目は、安定しているところ。三つめは」
「わかりました。まだ自分探しの最中ですね、あなた・・・」
就活とは、まさに自分探しの旅です。
でも、面接でそれをやっちゃいけません。
面接に来る前に、きちんと自己分析して、自分にはこの仕事しかない、と決めて、いや一応決めてでもいい、まずは決めてでもいい、とにかく自分がやりたい仕事を考えてから、前に進むべきだと思う。
私はまず「仕事」を探す、と伝えている。
来年には、(留年しなければ)間違いなく、あなたは学校を追い出される。学生ではなくなり、「何者か」になる。
要は、どうやって生きていくか、ということに繋がってくる。
就活とは、言葉を代えると、来年以降どうやって生きていくか、の選択肢の一つにすぎないのだ。
だから、もう一度言おう。
まず、どうやって生きていこうとするのかを考えること。やはり生きていくには仕事をしないといけないので、それはつまり自分のやりたい仕事は何か、自分に合った仕事は何か、を考えることに繋がる。会社を選ぶのは、あくまでその仕事をするのに適した条件や環境を選ぶことだ。
① 1月中にしっかりと自分探しを終わらせること。
② 2月からは、自分がしたい仕事をしっかりと胸に抱きしめて、自分に適した環境、
つまり企業研究を始めること。
③ そして、3月1日からの企業エントリーへ。
②の企業研究だが、なかなかネットなどの情報だけではわからないと思う方は、2月中に合同企業説明会なども開催されるので、しっかりチェックして、どんな仕事があるのかを実際に体験することも大事だ。そこから、今まで自分が知らなかった仕事を発見するかもしれない。
次回は、就活は自分探し ② 企業説明会の受け方 です。
1月中旬に。
では、頑張ってくださいね!!