天職に巡り合うということを考えてみた
昔もこんなに暑かったのだろうか?
それでも、きっちりとしたスーツ姿で、きっと彼、彼女は就職面接に向かう途中なのだろうな。その顔には、この熱波の汗なのか、それともこれから勝負に向かう戦うぞ、という汗なのか。勝負を終えた汗なのか。
もうお盆も過ぎて、世間では、8割が内定が決まったとか新聞には出ているものの、ぎりぎりまで自分に合ったステージはどこなのか、懸命に行動する姿は思わず応援したくなります。それは、今、これを読んでくれている君かもしれない。
内定が既にとれていようと、まだ全然なんです、であろうと、とにかく頑張って!!
今日は初めてブログをはじめたのですが、初回は、内定が既にいくつかとれている人向けの話題を書くことにしました。
いくつかの内定通知書を前にして、君は何を思うのだろう。いくつかの業種、いくつかの職種、という中で、最後に君の背中を押すのは一体何だろう。
人事を長くしていると、新卒の面接で、必ず質問することの一つだ。「働く会社を選ぶこだわりは何ですか?」
今年のうちの会社で面接で多かった答えは、
① 職場の雰囲気
② 転勤があるかどうか(嫌ではないけどない方がいい)
③ 配属はどうやって決まりますか
(自分の希望職種に就けるのか)
う~m、正直だなぁ。
話は変わるが、「舟を編む」(三浦しをんさん著)を読んだことはあるだろうか。ひょっとしたら映画は観たかも。主人公の馬締光也(まじめみつや)が辞書つくりに人生を懸けるという物語。まじめは、元々人付き合いが不器用で、本が友達。ものすごい語彙をいっぱい知っているのに、それを他者に使いこなせない。そういう彼が,ある日突然辞書作りという天職に就くことになる。
原作では、岸辺みどりという女性はサブ主人公的に内面がよく描かれている。彼女は、同じ出版社の中の花形部署にいたのが、ある日突然辞書編集部への異動を命じられる。はじめは不安と不満いっぱいで戸惑い、泣きながらやっていたのが、次第に辞書つくりにのめりこみ、やりがいを感じるようになっていく。
私は、この岸辺みどりが(も)好きだ。まじめのように突然天職に就くことができるということは、私のような凡人には確率は低いだろうな。どちらかというと、岸辺みどりのように、できることを増やしていくうちに、それがやりがいに昇華していく、というのが、まあ、私もそうだったな、と思う。
そういえば、SEからキャリアをスタートさせて、人の前で漫談をするのが上手いとおだてられ(笑)、いつしか教育の道に進んで、いつの間にか人事をやっていたなあ。
この岸辺みどりのように、C(やりたいことでも、できることでもない)の仕事を泣きながら頑張って、どんどんB(できること)を増やしていくんですね。すると、ある日、そのできることの中から、「あ、これって、私、得意かもしれない!」というものに必ず巡り合うものなんです。それが面白くなり、A(やりたいこと)に昇華していって、(たぶんそのころは主任とかになっていて、できる立場にもなっているハズ)、ド真ん中のABC(やりがい)に巡り合うものなんですね。
さて、横道にそれて久しいですが、本題に戻って、さて、いくつかの内定通知書を前に、どう考えますか?
私は、やはり、いろんなことにチャレンジさせてくるかどうか、いろんな経験ができるかどうか、会社に入ってからの選択肢が多いのか少ないのか、そんなことも大事だと思うんです。
一方、ABをしっかりと持って就職活動できた人は、条件とか将来性とか、職場の雰囲気とか、キャリアアップができるかとか、そういうことをじっくりと精査することができますね。
ちなみに、Bエリアの「これって面白いかも」に出会えるのは、私の人事の経験では3年~5年が目安でしょうか。
(もしも、5年たっても、面白いものに出会えなかったら、“転職”を考えてるのかもしれませんね。
ああ、あと、自分だけで考えなくて、親でも友人でも、相談することは大事ですよ。人に話すと、自分の考えがはっきりするし、話しながら「本当か?」とか自分が気が付いたり.........最後に決めるのは君だけどね。
では、がんばって!