OyakuniTateba blog

現役 人事マネージャーから あなたに伝えたいこと

就活は自分探し その② 2月にすること~合同企業説明に参加して業界研究・企業研究~

合同企業説明会の朝は、人事担当もちょっといつもと違う緊張感がある。

なにしろ、大勢の学生を前にして、一日中しゃべらないといけない。いや、その前に本当に学生はうちのブースに来てくれるのだろうか?この会社のことを好きになってくれるだろうか?など、不安でいっぱいなのだ。

 

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学生諸君からみたら、その会社の人に初めて会うのだから、人事担当=会社の顔といっても過言ではないのだ。

だから、当日説明するパワーポイントでは、どういうことを伝えれば学生に興味を持ってもらえるかをよく吟味して作る。学生集めに使うパンフレットやチラシなども、アイキャッチを意識したり、ブースに誘導するように工夫したり、当然、ブースの飾りつけにも会場の制約範囲の中で思いっきり目立とうと頑張ってみる 笑。

これって、まさにマーケティングの思考と一緒なのだ。ターゲットとした層(学生)に対し、集客し、購買してもらう(ここでは応募)ための仕組みを作っているのだ。

そして、当日の会場は・・・・・・

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 リクルートやマイナビ、学情など大手主催となると100社以上が集まってくるのだ。そこに数千人の学生が集まってくるので、もう年末のデパ地下状態だ。

 

ちなみに、こういう合同企業説明会の裏話を言うと、企業が参加申し込みをするとだいたい軽四一台分くらいの料金を払って出展する。主催会社はHPや電車のつり広告や媒体を使って2千人くらい集客してくれる。として、100社出てたら説明1クール平均20人の学生と接触を持てることになるのだ。それが5クール回せるとなると100人の学生と確実に会える、と一応計算する。だから、企業側もただ宣伝で出しているのではなく、よりターゲットに近い学生に自社のことを伝えようと考えている。だから、当日の出展だけでなく、その開催ホームページに会社概要や昨年の募集要項を載せたり前もって学生に情報をオープンにしている。

そんな中に飛び込んでいく学生側はどうなのだろうか。あなたはどんな準備をして参加すればいいのだろうか。ちゃんと考えを持って参加しないと、まさに買いたいものを決めずにバーゲンに参加するようなものだ。迷って迷って最後に手近にあった商品を手に取ってしまうのと同じになってしまう。

 

【まず、合同企業説明会に参加する目的を明確にする】

合同企業説明会に参加する目的もあなたの現在の絞り込み状況によって変わってくる。すでに、企業を絞り込んでいて、その企業の話をピンポイントで聴きに行く、質問したいことがある、という目的もあるだろう。逆に、まだ企業の絞り込みが出来ずに、どんな会社があるか、まずは絞り込みのために参加する人もいるだろう。自分はどちらなのか、そこをはっきりさせて、その目的に沿った行動計画を立てないといけない。

① すでに企業を絞り込んでいく場合

 この場合は、もう合説から自分をアピールする場となる。そのつもりで、やる気をしっかりと見せないといけない。だから質問する内容をきちんとまとめておく、ということは言うまでもない。人気企業となると。1クール10分から20分くらいで、どんどん学生を入れ替えていって“さばいていかないと”終わらない。だから、あまりじっくりと学生と話をする時間をとることができない。だから、しっかりとタイムテーブルをチェックして、質問があるなら、できるだけ人事の人に近い前の席に座るようにすること。(それがアピールにもつながるし人事の人に覚えてもらえるのだ!)また、人事担当者は一人ではなく、ブースの後ろに控えていたりするので、そういう人に質問してもOKだ。(ただ、正確に見つけるのが難しいのでやはり前に座るのがベター)

 この質問をする場合の注意点を伝えておきます。企業側からみた学生の質問というのは「この学生はうちのここが一番気になるところなんだ」とか「この学生は、ここを企業選びの基準にしているんだ」という見方をする。

 例えば、なにか質問はないですか?に対し。「御社は転勤はありますか」と聞くと、ああ、この学生は「転勤したくないんだな」と(普通)思う。しかも、誰がどんな質問をしたかということを人事担当者は結構覚えている。

 だから、質問は十分に考えてすること。例えば「転勤」のことを聞きたければ、「今日はありがとうございました。一番知りたかった営業の仕事の中身が聞けました。あと、キャリアの作り方について質問があります。例えば、転勤についてどうでしょうか」などと、ちょっと工夫して聞くのが良い。

 

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② いろんな企業をしらべに行く

「企業研究」という言葉を聞いて、「いろんな会社を見に行こう。世の中にはどんな会社があるのかな」と漠然と参加すると、何も得ずに帰ってくる可能性が高いので注意だ。

 あなたは、まず仕事を選ばなくてはならない(就活は自分探し その①参照)。

企業研究というのは、その仕事に就きたいとして、次にその仕事をする自分にあった条件のフィールドを探しにいく、それが企業研究だ。ひょっとしたら、自分の就きたい仕事を募集している企業が、実は当日は参加していない場合だってあるのだ。

例えば、営業職に就きたいとする。では、営業と言っても、形のある製品を売る営業なのか、または形の無いサービスを売る営業なのか、どちらもその面白さや大変さを実際に見て質問してみよう、というのが企業研究だ。または、関西の企業で働きたい。では、営業で関西が本社の企業はどこで、どんな商売の仕方をしているのか、とか。

それを、私は「こだわり」と言っている。

そのこだわりが無いのに、100社以上も集まる場に行っても、どの企業から参加していっていいのか、その会場に立つと見当もつかなくなる。

私は、そのこだわりをマトリックス化して持っていくことを薦める。

マトリックスとは、こだわりの軸である。例えば、営業に就きたいとすると、例えば、次の軸を二つ考えてみる。一つの軸は、モノを売る営業とサービスを売る営業。もう一つの軸は「安定して成長していく企業」でいってみる。(これはあくまで例で自分のこだわりで決めていいよ)そして、大事なことは、その「安定して成長」を測るものさしを書いておくことである。

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こういうフォーマットを自分でこしらえて事前に作っておくといいよ。これに合致する企業を一つひとつ探すのが大変だって? そう。これが就活なのだよ。でも、今は、リクナビなどのサイトも検索機能が充実しているので、だいぶんと楽になったのだよ。

また、自分の気になった企業を、この作った表に当てはめてみて、当日、分からなかったところを、しっかりと質問する、ということも大事だ。

実はこれがあとで「志望動機」になる。面接で「こういうこだわりで企業選びをしましたが、御社しかありませんでした!!」と叫べば良い。(転勤が無いところ、とか給料が高いところなどの、人事に言うと微妙なことは自分だけにしておきてもよい 笑)

 

話を聴いていて、「あ、こういうこだわりも追加しよう」、とその場で入れてもよい。

いろんな企業の話を聴いているうちに、新たな発見ということもある。そこは柔軟に考えてもいい。とにかく、テーマは企業研究なのだから。あまり例は少ないが、営業職で探していて、思いもよらず、やってみたい仕事に出会うこともある。(ただ自己分析の結果をもう一度帰って考えること!)

こうしておけば、自分のしたい仕事、働くフィールドのイメージ、さらに行きたい企業の具体的な名前が、おぼろげながらも見えてくる。

そのイメージができれば、またはその会社が見つかれば、次のステップとして、そのイメージ、会社を縦横にふくらませていけばいい。つまり同業他社を調べていくとか、競合相手を探していくとか。同じ業界で会社規模を変えてみるとか。地域を変えてみるとか。まずは、5社くらい興味のある会社が見つかれば、今日は上出来だと思っていい。

 

【最後に合同企業説明会参加で気を付けておくこと】

 ① 参加票の記入について

  まず、当日、会場に着いたら、話を聞いた企業ブースに提出する「プロフィールカード(名称は様々)」を用意する。これは複写になっていて、数枚は使えるようになっている。これを、初めに目標の参加企業の数だけ用意しておく。このシートを作成する時間を考えて、説明会開始時刻よりも早くいくこと。

経団連の指針で、実際に企業に応募するのは3月からになるのだから、とこのシートを甘く見てはいけない。

企業は、きっちりとこのシートをデータベース化している。そして、合同企業説明会>自社の会社説明会>履歴書応募>入社試験参加>内定>内定受諾といった順番で、応募を管理していく。

もしも、お目当ての学生がいたら、このシートから3月に入って(もしくはすぐにでも)企業側からアプローチしてくる。企業にとっても、欲しい人材は何がなんでも欲しいし、また、そういった人材は他社でも欲しいと思っていることを知っている。

よって、このプロフィールシートは、ひょっとしたら、その企業に就職するかもしれない、という可能性を頭に入れて書かなくてはならない。

★ まず、丁寧に書くこと! 「字は体を表す」。丁寧に書くことで本気度を示す。

★ EーMailアドレスは、きちんと分かりやすく書くこと。よくこれが、gなのかjなのか、どっちや? ということがよくある。また、アドレスは凝ったアドレスや子供っぽいものは避けること。以前に「pandachan〇〇〇」みたいなものがあった。「Mailアドレスも体を表す」ということを知っておくこと。

★ 備考欄には質問なども書いてもよい。丁寧な会社はきちんと連絡をくれる。そんなところからも、その企業のカラーが判ったりする。また、できれば、何も書くことがなくても、聞いてよかったと思う点などを書き添えると印象が格段にアップする。

 

【まとめ】

● 合同企業説明会には、目的を持っていくこと。

● 事前にしっかりと、準備してから行くこと。企業マトリックスを作っていくこと。

● この合同企業説明会から、企業とのコンタクトは始まっていることを意識する。

 

以上です。何かわからないことがあったら、HPからメールください。できる範囲でサポートします。

さて、すでに、もう合同企業説明会のエントリーが始まっています。乗り遅れないように、まずは、サイトからエントリーだけはすぐにしておいてください。

 

次回は、就活は自分探し③ 履歴書の書き方 になると思う。違うかもしれない 笑

 

じゃあ、風邪ひかないように がんばってね!!応援してるよ!